レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)は、アフガニスタン東部からパキスタン、インド北西部にかけての乾いた土地にすむ、まぶたのあるヤモリの仲間です。ペット保険会社の調査では、飼われているトカゲの仲間の約7割を占めていました(環境省の検討会資料)。ただし、温度・湿度・寿命の数字は飼育ガイドによってかなり違います。
この記事では、国内メーカー2社・獣医師会・海外の動物福祉団体とメーカーの飼育ガイドを並べ、数字の幅と、どの資料にも共通する基本をまとめました。ニシアフリカトカゲモドキ(ニシアフ)との違いも表にしています。

この記事の根拠:キョーリン・GEX(エキゾテラ)の飼育ガイド、川崎市獣医師会「かわペット」、英国の動物福祉団体RSPCAと米国メーカーZoo Medの飼育ガイド、分類データベースThe Reptile Database、学術論文、環境省・経済産業省・東京都の公開資料を整理したものです(2026年10月6日時点で確認)。レオパの飼育の実体験を記したものではありません。
【結論】レオパの飼い方の早見表
| 知りたいこと | 資料で分かること | 出典 |
|---|---|---|
| どんな生き物? | トカゲモドキ科のヤモリの仲間。アフガニスタン東部・パキスタン・インド北西部などに分布 | The Reptile Database |
| 大きさ | 体長20〜25cm | キョーリン |
| 温度 | 温かい側28〜32℃・涼しい側24〜28℃の範囲で資料ごとに違う | 川崎市獣医師会/RSPCA |
| 湿度 | 30〜40%〜60〜70%と資料で大きく違う。湿らせた隠れ家を別に置く | RSPCA/GEX ほか |
| 餌 | 昆虫食(専用の人工飼料もある)。成体は1日おき〜3、4日おき | RSPCA/川崎市獣医師会 |
| 寿命 | 約10年〜約15〜20年。飼育下で37年の記録 | キョーリン/GEX/The Reptile Database |
| 値段 | 公的機関・メーカーの資料に生体価格の目安は見つからず | — |
| 法律 | 特定動物・特定外来生物・ワシントン条約附属書のいずれにも掲載なし | 環境省/経済産業省 |
このページはレオパの記事の入口です。寿命・値段・餌・温度などは、今後それぞれ詳しい記事を追加し、このページから案内していきます。
レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)とはどんな生き物か
学名は Eublepharis macularius。The Reptile Databaseではトカゲモドキ科(Eublepharidae)に入り、GEXも「爬虫綱有鱗目トカゲモドキ科」と説明しています(キョーリンは「ヤモリ科トカゲモドキ亜科」と表記)。ニホンヤモリのように壁に貼り付く指(趾下薄板)を持たず、地面を歩くヤモリです(GEX)。
- 分布:アフガニスタン東部・パキスタン・インド北西部・ネパール・イラン東部(イランは確かな記録がないとの注記つき)(The Reptile Database)
- すむ場所:砂だらけの砂漠ではなく、岩の混じる荒れ地やなだらかな丘陵。枯れた植物の下などはしっとりした湿度がある(GEX)
- 活動する時間:明け方と夕方に活動し、日中の暑い時間は岩の下に隠れる(RSPCA)。キョーリンは「温和な夜行性」
- 大きさ:体長20〜25cm(キョーリン)、約25cm(RSPCA)。頭胴長はオス13〜16cm・メス11〜13cm(GEX)
- 性別:卵を温める温度で性別が決まる種(The Reptile Database)
環境省の検討会資料(2022年)は、アニコム「家庭どうぶつ白書2021」を引いて、飼われているトカゲの仲間のうちヒョウモントカゲモドキが71.1%(497頭)だったと紹介し、「国内繁殖の個体も多い」としています。
ニシアフとの違い|原産地・温度・湿度・性格・値段
ニシアフは同じトカゲモドキ科の別の種で、原産地は大陸ごと違います。同じメーカー(Zoo Med)が両種の飼育ガイドを出しているので、比べられる項目はその数字を使いました。
| 項目 | レオパ | ニシアフ | 出典 |
|---|---|---|---|
| 学名 | Eublepharis macularius | Hemitheconyx caudicinctus | The Reptile Database |
| 原産地 | アフガニスタン東部・パキスタン・インド北西部など | 西アフリカ(セネガル〜カメルーンなど) | The Reptile Database/Zoo Med |
| 原産地の環境 | 岩の多い荒れ地。日中35℃近く、夜は23℃ほどになる時期がある | 長い乾季のある熱帯。涼しく湿った巣穴や岩の割れ目で過ごす | GEX/Zoo Med |
| 日中のケージ温度 | 25.6〜29.4℃ | 22.2〜31.1℃ | Zoo Med(華氏を換算) |
| ホットスポット・夜間 | 32.2℃・21.1〜22.2℃ | 同じ | Zoo Med(華氏を換算) |
| 湿度 | 涼しい側30〜40%(RSPCA)。国内メーカーは40〜70% | 野外では雨のあと湿度60〜95%の夜に多く見つかり、17〜29%の夜にも活動 | RSPCA/キョーリン/GEX/Spawls 2008 |
| 大きさ | 8〜9インチ(約20〜23cm) | 5〜7インチ(約13〜18cm) | Zoo Med |
| 寿命 | オス8〜10年・メス10〜18年 | 10〜18年 | Zoo Med |
| 性格 | 「温和」(キョーリン)、「とてもおとなしい」(Zoo Med) | 初心者にも向くと紹介(Zoo Med) | キョーリン/Zoo Med |
| 値段 | 2種とも公的機関・メーカーの資料に目安なし | — | |
Zoo Medの数字では、ホットスポットと夜間の温度は同じで、違うのは日中の幅です。性格は、同じ条件で2種を比べた研究は見つかりませんでした。いちばん扱いが変わるのは湿度で、ニシアフとレオパの違い|見た目・性格・飼育環境を比較で詳しく整理しています。ニシアフ側の数字はニシアフの適正温度と湿度・ニシアフの寿命・ニシアフの値段の各記事を参照してください。
飼育に必要なものとケージの大きさ
GEXは「ケージ・ヒーター・シェルター・床材・温度湿度計・照明・水飲み皿・餌とピンセット・サプリメント・お手入れ用品」の10点を挙げています。川崎市獣医師会は加えて、ヒーターの過熱を防ぐサーモスタットを「強く推奨」し、RSPCAは「すべての熱源にサーモスタットを使う」としています。
- ケージ:成体1匹で幅30〜45cm前後(キョーリン・GEX・川崎市獣医師会)から、最小で長さ60×高さ40×奥行30cm(RSPCA)まで資料で倍近く違う。GEXはケージが大きいほど温度の差を作りやすいとしています
- パネルヒーター:底の1/3〜1/2に敷く(キョーリン・GEX・川崎市獣医師会で一致)。全面に敷かず、温かい場所と涼しい場所を作るため
- シェルター:中を湿らせる「ウェットシェルター」を川崎市獣医師会は「必須」、RSPCAも必要としています
- 床材:幼体は誤食による腸閉塞のおそれがあるので最初はキッチンペーパーから(川崎市獣医師会)
ケージや湿らせた隠れ家の考え方は、ニシアフのケージサイズ・ニシアフの飼育用品一覧・ウェットシェルターの記事も参考になります(ニシアフ向けなので、湿度はレオパ用に読み替えてください)。
温度と湿度|資料ごとの数字を並べる

| 資料 | 温かい側 | 涼しい側・全体 | 夜間 | 湿度 |
|---|---|---|---|---|
| キョーリン | 26〜32℃が適温 | 記載なし | 約40〜60%(冬以外はあまり気にしなくてよい) | |
| GEX | 日中24〜32℃ | 18〜24℃ | 60〜70% | |
| 川崎市獣医師会 | 30〜32℃ | 25〜28℃ | 幼体はホットスポット26℃以上 | 成体50〜60%・ウェットシェルター内50〜80% |
| RSPCA | 28〜30℃ | 24〜26℃ | 室温18℃未満なら補助の加温 | 涼しい側で30〜40% |
| Zoo Med | 32.2℃ | 日中25.6〜29.4℃ | 21.1〜22.2℃ | 記載なし |
数字が違う大きな理由は、測る場所が資料ごとに違うことです。GEXはセンサーを「レオパがいつも居る場所」(シェルターの中)に、川崎市獣医師会は温かい場所・涼しい場所・ウェットシェルター内の3か所に、RSPCAは湿度を涼しい側で測るとしています。数字をまねるより、測る場所を決めて毎日同じ場所で記録するほうが比べやすくなります。
GEXは、ケージ全体を32℃に温め続けるのも、全体が23℃まで下がったままにするのもよくない(後者は消化できず拒食につながることがある)と説明しています。川崎市獣医師会は、夏の35℃以上は熱中症の原因になるとしています。冬の保温器具と電気代の考え方は冬のニシアフ飼育と共通です。
紫外線ライト(UVB)は必要か
資料で意見が分かれます。GEXは「強い紫外線は必要ない」としつつ弱めのUVAの照明は有効とし、RSPCAは2〜5%のUVB蛍光管を温かい側に付けるよう案内しています。目の赤い個体は、GEXが目を傷めるおそれ、RSPCAが獣医師への相談を挙げています。2020年の研究(Oonincxほか)では、餌でビタミンD3を補った幼体に生後6か月まで弱いUVBを当てると血中のビタミンD3代謝物は増えましたが、成長と体重の増え方は当てない群と同じでした。詳しくはニシアフにUVBライトは必要?で扱っています。
レオパの餌|種類・頻度・サプリメント
レオパは昆虫食で、飼育下ではコオロギ・ミルワーム・デュビアなどの生き餌と、レオパ用の人工飼料が使われます(川崎市獣医師会)。
| 資料 | 幼体 | 成体 | 餌の大きさ |
|---|---|---|---|
| キョーリン(人工飼料) | 毎日(体重5〜20g) | 2、3日に1回(体重50〜60g) | — |
| RSPCA | 毎日 | 1日おき | 頭の大きさを超えない |
| 川崎市獣医師会 | 毎日か1日おき | 3〜4日おき | 幼体は頭の幅と同じか少し小さい |
| Zoo Med | 記載なし | 頭の幅 | |
- サプリメント:生き餌だけならカルシウムの添加が必要で、専用の人工フードは添加なしで与えられる商品が多い(GEX)。量は製品の表示に従う(RSPCA)
- 脂肪の多い餌:ミルワーム類はおやつ程度に(川崎市獣医師会)
- 食べ残し:取り除く(RSPCA・Zoo Med)
- 水:GEXは毎日、キョーリンは2〜3日に1回の全交換
- お迎え直後:最初はショップと同じ餌・与え方から。1〜2日は環境に慣らす(GEX)
餌の量を体重で見直す考え方はニシアフの餌の記事も参考になります。
レオパの寿命は何年?資料で約10年〜20年の幅
| 資料 | 寿命の記載 |
|---|---|
| キョーリン | 約10年 |
| GEX | 約15〜20年。飼育下では平均15年ぐらい。20年以上生きる個体も数多くいる |
| Zoo Med | オス8〜10年、メス10〜18年 |
| RSPCA | 最長20年 |
| The Reptile Database | 飼育下で37年に達した2個体の報告(Berghof 2019) |
「平均」「最長」「記録」と、数字の意味が資料ごとに違います。10年以上の飼育を前提にしておくのが安全です。動物愛護管理法は、できる限り動物が命を終えるまで適切に飼う「終生飼養」に努めるよう定めています(第7条第4項)。
値段と、買うときに法律で決まっていること
公的機関・メーカーの資料で生体価格の目安を探しましたが、確認できませんでした(2026年10月6日)。参考として、環境省の検討会資料(2022年)は、輸入された爬虫類1匹あたりの値段が2021年は2012年の約3.7倍になったと示しています(爬虫類全体・財務省貿易統計から作成)。価格の見方は爬虫類イベントは安い?値段の見方と総額で整理しています。
| 確認したこと | レオパの扱い | 出典 |
|---|---|---|
| 特定動物 | リストにない(トカゲの仲間はドクトカゲ科全種・コモドオオトカゲ・ハナブトオオトカゲのみ) | 環境省 |
| 特定外来生物 | 一覧にない(トカゲ亜目はスウィンホーキノボリトカゲとアノール属の8種のみ) | 環境省 |
| ワシントン条約 | 附属書にない(トカゲモドキ科は Goniurosaurus 属のみ) | 経済産業省(2026年3月5日時点版) |
| 買うとき | 爬虫類の販売では、店で実物を見せ、18項目を対面で説明することが義務。カメラ越しの確認は認められない | 動物愛護管理法 第21条の4/東京都 |
| 飼えなくなったとき | 飼っている爬虫類は「愛護動物」。捨てると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 動物愛護管理法 第44条 |
附属書Ⅱに載っている Goniurosaurus 属は、経済産業省の表記で「トカゲモドキ属 全種(日本の在来種を除く)」です。クロイワトカゲモドキなど奄美・沖縄諸島の固有種6種は、別に附属書Ⅲに掲載されています。一方GEXはレオパの Eublepharis 属を「トカゲモドキ属」と呼んでいるので、和名だけで判断せず学名で確かめてください。対面説明の仕組みはアカハライモリの値段の記事でも説明しています。お迎え時の健康チェックとして、川崎市獣医師会は「尻尾が太いか・目が澄んでいるか・元気に動くか・指先や目元に脱皮の残りがないか」を挙げています(健康なニシアフの選び方も参考に)。
毎日の世話と注意点|同居・脱皮・自切・衛生
- 同居:RSPCAは1匹で飼うことを勧め(攻撃的になることもある)、キョーリンは「単独飼育が基本(雌同士は同居できる)」、Zoo Medは「オス同士は一緒にしない」。オス同士の同居を勧める資料はありませんでした
- 掃除:フンは毎日取り除く(GEX)。月に1回はケージ全体を爬虫類に安全な消毒剤で洗う(RSPCA)
- 自切:危険を感じると尻尾を切って逃げる(キョーリン)。尻尾に力をかけない(RSPCA)
- 脱皮:指先や目のまわりに皮が残るときは、無理に引っぱらず獣医師に相談(RSPCA)
- 触り方:両手ですくうように持ち、1回10〜15分程度まで。迎えて最初の1週間は不要に触らない(RSPCA)
衛生:環境省の検討会資料は、国内の調査で家庭飼育の爬虫類の検体の32.2%からサルモネラ菌が分離されたと紹介しています(爬虫類全体)。触る前後に手を洗ってください(RSPCA)。受診の目安:筋肉のけいれんや脚の腫れなど代謝性骨疾患のサインがあれば急いで獣医師へ(RSPCA)、1週間以上の拒食が続けば獣医師に相談(川崎市獣医師会)。治療は爬虫類を診られる動物病院に相談してください。

レオパの飼育でよくある質問
室温が20℃くらいだと危ないですか?
「何℃で死ぬ」という数字は、確認した資料にはありませんでした。GEXは夜間18〜24℃、RSPCAは室温が18℃を下回るなら補助の加温を、としています。ただしGEXは、全体が23℃まで下がったままだと拒食につながることがあるとしています。室温20℃前後でも、パネルヒーターで温かい場所を作っておくのが安全です。
レオパは人になつきますか?
RSPCAは「ハンドリングに慣れることがある」、川崎市獣医師会は「根気よく接すれば人に慣れ、手の上に乗せることも可能」としています。逃げたりかもうとしたりするときは無理に続けないよう、RSPCAは案内しています。ニシアフとの比べ方はニシアフの寿命となつき方の記事でも扱っています。
ニシアフと同じケージで飼えますか?
勧められません。RSPCAはレオパ同士でも1匹で飼うことを勧めています。ニシアフは別の種で、湿度の設計も違います(表2)。
元気かどうかはどこで見ればいいですか?
RSPCAは「目が澄んで明るい」「活発で、休むとき以外はお腹が床につかない」「よく食べている個体は尻尾が太い」を挙げ、体重を定期的に量ることも勧めています。記録のしかたはニシアフの体重と成長速度が参考になります。
まとめ|レオパは「数字のまね」より「温度の差と記録」
- 温度は温かい側28〜32℃・涼しい側24〜28℃前後に資料が集まる。湿度は資料で倍近く違う
- どの資料もケージ内に温度の差を作ることを求めている。測る場所を決めて記録する
- 寿命は約10年〜20年の記載があり、飼育下で37年の記録もある
- 特定動物・特定外来生物・ワシントン条約附属書には掲載なし。対面説明と遺棄の禁止は法律で決まっている
- ニシアフとは原産地も湿度の扱いも違う。同じケージでは飼わない
ニシアフの飼い方全体はニシアフリカトカゲモドキの飼育方法|初心者向け完全ガイド、初めての1匹の選び方はニシアフは初心者でも飼える?、イベントで買ったあとの持ち帰り方は爬虫類イベントの持ち帰り方にまとめています。
参考にした資料(2026年10月6日確認)
- キョーリン「ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の飼い方」
- GEX エキゾテラ「ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)について知ろう!」「飼育に必要なもの10点」「おすすめのケージは?」「ライトとヒーターは必要?」「餌やりは難しい?」
- 川崎市獣医師会 かわペット「【第1回】ようこそレオパ!飼育に必要な基本セットと環境づくり」「【第2回】レオパの毎日のご飯と健康管理」
- RSPCA「How to care for a leopard gecko」
- Zoo Med「Leopard Gecko」「African Fat-Tail Gecko」
- The Reptile Database「Eublepharis macularius」「Hemitheconyx caudicinctus」
- Oonincx DGAB ほか(2020)The nocturnal leopard gecko (Eublepharis macularius) uses UVb radiation for vitamin D3 synthesis. Comparative Biochemistry and Physiology Part B 250: 110506
- Spawls S.(2008)Notes on the natural history of the eublepharid gecko Hemitheconyx caudicinctus in northwestern Ghana. Herpetological Bulletin 106
- 環境省「第10回 動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」資料2-2「爬虫類の飼育状況について」(令和4年3月11日差し替え版)
- 環境省「特定動物リスト」「特定外来生物等一覧」
- 経済産業省「ワシントン条約附属書(動物界)」(2026年3月5日時点版・3月27日修正)
- e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」第7条・第21条の4・第44条
- 東京都保健医療局「動物の販売について(現物確認・対面説明)」

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