ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ、学名 Ambystoma mexicanum)の色の種類は、国内外で数十あるとされますが、一般に流通しているのは主に「リューシスティック」「アルビノ」「ゴールデン」「マーブル」「ブラック」の5品種です(カミハタ)。専門店のウーパールーパーNET は、キメラ(ハーフ)やダルメシアンなども含めて30種類ぐらいと案内しています。
見分けるときは体の色と目の色を組み合わせて見ます。白い体に黒い目ならリューシスティック、白い体に赤(ピンク)の目ならアルビノ、黄色い体に赤い目ならゴールデンです。このうち白(リューシスティック)とアルビノは、どちらも親から2つそろったときだけ現れる「潜性(劣性)」の形質であることが、ケンタッキー大学などの研究で原因の遺伝子まで確かめられています(Woodcock et al. 2017)。

この記事の根拠:メーカー(キョーリン・カミハタ)と専門店(ウーパールーパーNET)の品種の説明、サンディエゴ動物園野生生物連盟の解説、色の遺伝子を突き止めた学術論文(Scientific Reports 2017)、ケンタッキー大学 AGSC の飼育ガイド、動物病院の症例調査(日本獣医学会の学術誌 2017)を整理したものです(2026年10月24日に確認)。品種を作出した記録や飼育の体験ではありません。飼い方の全体はウーパールーパーの飼い方にまとめています。
【結論】ウーパールーパーの主な5品種と見分け方
| 品種(店の呼び方) | 体の色 | 目の色 | 別名・資料のメモ |
|---|---|---|---|
| リューシスティック(リューシー) | 白。幼体には黒い点がある | 黒。「黒目の黒目」と「黒目の金環」の2種類 | ホワイト黒目・白黒眼。最も人気が高く流通量も多い。「ウーパールーパー」という商品名も初めはこの品種に付けられた |
| アルビノ | 白 | 赤(ピンク) | ホワイト赤目・白赤目 |
| ゴールデン | 黄色。キラキラした模様(ラメ) | 赤(ピンク) | 「全身が黄色いアルビノ」。アルビノとの違いはラメ |
| マーブル | 薄い茶色〜暗い褐色に黒い斑点。色・模様はさまざま | 黒目に金環 | 野生個体に近い色といわれる |
| ブラック | 黒。小さいうちは青みがかる個体もいる | 黒(黒目の黒目) | 比較的最近流通し始めた品種。体色だけではマーブルと区別できない個体もいる |
品種名は店やメーカーが使う呼び方で、学会などが決めた正式な分類ではありません。同じ色でも店によって「リューシー」「リュウシ」「白黒目」のように呼び方が変わります。
リューシスティック|白い体に黒い目・いちばん流通している
リューシスティックは白い体に黒い目の品種です。キョーリンは「黒色の瞳で、白い体。幼体は黒点がある」と説明しています。カミハタは「ホワイト黒目」「白黒眼」「白アホロートル」とも呼ばれるとし、最も人気が高く、流通量も多い品種で、「ウーパールーパー」という商品名も初めはこの品種に与えられたと書いています。
目の色は1種類ではありません。ウーパールーパーNET によると、リューシーだけ目が2種類あり、白目の部分まで黒い「黒目の黒目」と、白目の部分が金色の「黒目の金環」に分かれます。目の種類で値段も少し違うと案内しています(値段はウーパールーパーの値段で扱っています)。
英語の研究では、この白い色の型は「white(白)」と呼ばれ、遺伝子の記号は d です。Woodcock ほか(2017)は、白の個体(d/d)では黒と黄色の色素の細胞が少ししか育たず、ほとんどが体の表面へ移動できないために白くなること、その原因が edn3(エンドセリン3)という遺伝子の働きの欠けであることを突き止めました。同じ論文は、白の個体でも大人になってから黒い色素の斑点が出る例が報告されていると書いています。
アルビノとゴールデン|赤い目は黒い色素を作れないしるし
アルビノは白い体に赤(ピンク)の目の品種です。カミハタは「ホワイト赤目」「白赤目」「アルビノ・アホロートル」とも呼ばれるとしています。ゴールデンは黄色い体に赤い目で、キョーリンは「黄色い体にピンクの瞳。体にキラキラした模様」、カミハタは「全身が黄色いアルビノ」と説明しています。ウーパールーパーNET も、ゴールデンとアルビノの違いを「ラメ」としています。
研究では、アルビノの遺伝子の記号は a です。アルビノの個体(a/a)は黒い色素の細胞はできるものの、黒い色素(メラニン)が付かない状態で、原因はメラニンを作る酵素の遺伝子 tyr(チロシナーゼ)の一部が欠けていることだと確かめられています(Woodcock et al. 2017)。目が赤く見えるのも、メラニンがないためです。
白い体に赤い目の個体の中には、白(d/d)とアルビノ(a/a)の両方を持つものもいます。冒頭の写真の説明でも、左の個体は「リューシスティックとアルビノの両方の形質を2つずつ持つ個体」とされています。ただし、日本で「アルビノ」「ゴールデン」として売られている個体がどの遺伝子の組み合わせかを示した日本語の資料は見つかりませんでした。
アルビノはトラフサンショウウオから来た遺伝子
アルビノはウーパールーパーの中で生まれた変化ではありません。Woodcock ほか(2017)によると、1962年に米国ミネソタ州で、メラニンを持たない陸生のトラフサンショウウオが採集され、インディアナ大学の研究者が当時最新の技術(核移植や微細な手術)を使ってウーパールーパーとの間に子を作り、アルビノの遺伝子を持ち込みました。AGSC の飼育ガイドも、アルビノは1962年の種をまたいだ交雑にさかのぼると書いています。
この交雑の影響は今も残っています。同じ論文は、AGSC で飼われている今のウーパールーパーはすべてこのトラフサンショウウオの子孫で、野生型の色をした大人の88%がアルビノの遺伝子を1つ持っていたと報告しています。サンディエゴ動物園野生生物連盟も、トラフサンショウウオと掛け合わせることで色や皮膚の模様がさらに多様になることがあると書いています。
一方、カミハタはゴールデンについて「1964年にトラフサンショウウオのアルビノと掛け合わせて作出されたのではないかという説もあるが、詳しくは分かっていない」と書いており、年が論文(1962年)と違います。資料ごとの記述を下の表2に並べます。
マーブルとブラック|目の色で見分ける
マーブルは、キョーリンの説明では「薄い茶色の体に黒の斑点。色・模様は多彩」、カミハタの説明では「全身に暗褐色の斑点を持つ品種」で、野生個体に近い色といわれています。ブラックは黒い体に黒い目の品種で、カミハタは小さい個体は青みがかっていることもあるが、成長とともに全身が真っ黒になること、比較的最近になって流通し始め、入手が難しかった時代もあったことを書いています。
この2つは体の色だけでは見分けにくい場合があります。ウーパールーパーNET は、真っ黒なマーブルも薄い色のブラックもいて、体色で判断できないブラックとマーブルは全体の5%にもなるとしています。見分けるときは目を見ます。ブラックは「黒目の黒目」、マーブルは「黒目の金環」(白目の部分が金色)です。
研究施設の AGSC が保っている色の突然変異には、白・アルビノのほかにメラノイド(melanoid)とカッパー(copper)があり、メラノイドは Ltk、カッパーは Tyrp1 という遺伝子が原因とされています(AGSC Guide 2024 の文献一覧)。ただし、日本の店の「ブラック」が研究でいうメラノイドと同じものかを示した資料は見つかりませんでした。
色はどう遺伝する?白もアルビノも「2つそろって」現れる

Woodcock ほか(2017)は、白とアルビノを1つの遺伝子で決まる潜性(劣性)の形質としています。遺伝子は父と母から1つずつ受け継ぐので、白の遺伝子 d を2つ持つ(d/d)ときだけ白くなり、1つだけ(D/d)なら見た目は色のついた個体のままです。論文は、これらの遺伝子がメンデルの法則で予想されるとおりに分かれて伝わるとも書いています。
- 白(d/d)×白の遺伝子を持たない色つき(D/D):子はすべて D/d。見た目は色つきだが、白の遺伝子を1つ隠し持つ
- D/d どうし:子は D/D・D/d・d/d がおよそ1:2:1。白が出るのは4匹に1匹の割合(確率なので、1回の産卵で必ずこの数になるわけではありません)
- 白どうし(d/d×d/d):白の遺伝子について見ると、子はすべて d/d
AGSC の大人の88%がアルビノの遺伝子を1つ持っていた、という報告のように、見た目が色つきでも白やアルビノの遺伝子を持っていることは珍しくありません。論文は、アルビノの遺伝子を1つだけ持つ個体は、昔は見た目で区別できなかったと書いています。色つきどうしの親から白やアルビノの子が生まれるのはこのためです。卵と繁殖の条件はウーパールーパーの卵は何個?にまとめています。
白い色はいつ生まれた?資料で年が違う
白い個体の始まりについて、資料の書き方はそろっていません。食い違いをまとめず並べます。
| 色 | 資料 | 記述 |
|---|---|---|
| 白 | Woodcock et al. 2017(学術論文) | 1863年、フランス軍の遠征隊がメキシコのソチミルコで採集した個体の中に、白い色のオスが1匹いた(論文の中で「最初の33匹の中に」「野生型33匹とともに」の2通りの書き方がある)。これらは大西洋を渡り、パリの国立自然史博物館で増やされた |
| 白 | サンディエゴ動物園野生生物連盟 | 最初の白い突然変異のウーパールーパーは1860年代後半にパリで現れた |
| アルビノ | Woodcock et al. 2017/AGSC Guide 2024 | 1962年、メラニンを持たないトラフサンショウウオとの交雑で持ち込まれた |
| ゴールデン | カミハタ(メーカー) | 1964年にトラフサンショウウオのアルビノと掛け合わせて作出されたという説がある(詳しくは分かっていない) |
白については「採集された時点で白い個体がいた(論文)」と「パリで現れた(動物園の解説)」で書き方が違います。アルビノの年は、論文と大学の資料が1962年、メーカーの説が1964年です。
野生のウーパールーパーは何色?
サンディエゴ動物園野生生物連盟によると、野生のウーパールーパーの皮膚は、すんでいる湖の泥に合わせた暗い褐色〜黒で、これが湖底の泥の中で身を隠す役目を果たします。白・金色・まだら・アルビノなどの色は飼育下で見られる色です。陸に上がる体に変わった(変態した)個体は、暗い色に斑点のような模様になると書いています。陸化についてはウーパールーパーの陸化とは?で整理しています。
Woodcock ほか(2017)も、野生型の色を「緑と黒のまだらの暗い色」と表しています。店で「マーブル」が野生に近い色といわれるのは、この色に近いためです。野生の個体は国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで深刻な危機(CR)とされ、店で売られているのは飼育下で殖やされた個体です(値段の記事で整理)。
5品種のほかの珍しい色
カミハタは「国内外で数十もの品種が作られている」、ウーパールーパーNET は「右と左で色が分かれているキメラ(ハーフ)や、白に黒い模様が入った牛(ダルメシアン)などをはじめ30種類ぐらい」と書いています。研究の側では、白・アルビノ・メラノイド・カッパーのほか、論文中にアキサンティック(axanthic)などの歴史的な突然変異の名前が挙がっています(Woodcock et al. 2017)。
こうした珍しい色について、遺伝のしかた・流通量・値段をまとめた公的な資料は見つかりませんでした。店の呼び方と研究の遺伝子の名前は1対1に対応していないので、珍しい色を買うときは、店の説明(親の色・目の色)を確かめるのが確実です。
動物病院に来た97匹は、9割が白い個体だった
どの色が多く飼われているかを数えた公的な統計は見つかりませんでした。参考になるのが、福岡県の動物病院に2008年1月〜2014年10月に連れて来られた97匹を調べた症例調査(Takami & Une 2017)です。体の色を4つに分けて記録しています。
| 体の色(論文の分け方) | 匹数 | そのうち腹水が見られた数 |
|---|---|---|
| 白 | 87匹 | 28匹(32.2%) |
| 野生型 | 5匹 | 2匹(40%) |
| 黄 | 4匹 | 2匹(50%) |
| 黒 | 1匹 | 0匹 |
白が約9割で、カミハタの「リューシスティックが最も流通量が多い」という説明と食い違いません。ただし、これは1つの病院に来た個体の内訳で、飼われている全体の割合ではありません。腹水の割合は色のついた個体で高く見えますが、論文は数が少なく、色との関係について結論は出せないとしています。病気についてはウーパールーパーの病気は何が多い?にまとめています。
色で飼い方や値段は変わる?
飼い方:今回確認したメーカー・専門店・動物園・大学の資料には、色によって水温や餌を変えるよう求める記述はありませんでした。カミハタは、飼育に必要な道具は一般的な熱帯魚や金魚の飼育セットと同じでよいとしています。「アルビノは目が弱い」という話は販売店のページなどで見かけますが、裏づける研究・公的な資料は見つかりませんでした(資料なし)。
値段:色と大きさ、一点物かどうかで変わります。色ごとの価格表と通販の表示価格はウーパールーパーの値段はいくら?で整理しています。大きさの目安はウーパールーパーの大きさは何cm?へ。
よくある質問
Q. ウーパールーパーは何種類いますか?
生き物としては1種(メキシコサンショウウオ)で、「種類」は色の品種のことです。カミハタは国内外で数十品種、一般に流通するのは主に5品種(リューシスティック・アルビノ・ゴールデン・マーブル・ブラック)、ウーパールーパーNET は珍しい色を含めて30種類ぐらいとしています。
Q. リューシスティックとアルビノの違いは?
どちらも体は白いですが、目の色が違います。リューシスティックは黒い目、アルビノは赤(ピンク)の目です。研究では、リューシスティック(white)は色素の細胞が育たない・移動しないこと、アルビノは黒い色素(メラニン)を作れないことが原因で、別々の遺伝子によるものです(Woodcock et al. 2017)。
Q. いちばん人気の色は何ですか?
カミハタはリューシスティックが最も人気が高く、流通量も多いとしています。人気を数えた統計は見つかりませんでしたが、動物病院に来た97匹でも87匹が白い個体でした(Takami & Une 2017)。
Q. 色つきの親から白い子が生まれることはありますか?
あります。白(リューシスティック)もアルビノも潜性(劣性)の形質なので、見た目が色つきでも遺伝子を1つ隠し持っていることがあり、そうした親どうしからは4匹に1匹の割合で白い子が生まれる計算になります。研究施設 AGSC では、野生型の色をした大人の88%がアルビノの遺伝子を1つ持っていました(Woodcock et al. 2017)。
まとめ
- 流通している主な品種はリューシスティック・アルビノ・ゴールデン・マーブル・ブラックの5つ。珍しい色を含めると数十種類
- 見分け方は体の色+目の色。白に黒目=リューシ、白に赤目=アルビノ、黄色に赤目=ゴールデン、黒目に金環=マーブル、黒目の黒目=ブラック
- 白(edn3)とアルビノ(tyr)はどちらも潜性の形質。2つそろったときだけ現れる
- 白は1863年にメキシコで採集された白いオス1匹が始まり、アルビノは1962年のトラフサンショウウオとの交雑で持ち込まれた(論文)
- 野生の色は暗い褐色〜黒。色によって飼い方を変える資料はなかった
関連記事:ウーパールーパーの飼い方|必要なもの・水温・餌・寿命の入門ガイド/ウーパールーパーの値段はいくら?/ウーパールーパーの卵は何個?/ウーパールーパーの病気は何が多い?/ウーパールーパーの陸化とは?/アカハライモリの色彩変異まとめ
参考資料
- Woodcock, M. R. et al. 2017. Identification of Mutant Genes and Introgressed Tiger Salamander DNA in the Laboratory Axolotl, Ambystoma mexicanum. Scientific Reports 7:6(PMC 全文。白=d/d・edn3、アルビノ=a/a・tyr、潜性の形質、1863年に採集された白いオス、1962年のトラフサンショウウオ、AGSC の野生型の大人の88%がアルビノの遺伝子を保有。2026年10月24日確認)
- Ambystoma Genetic Stock Center, University of Kentucky. AGSC Guide 2024(PDF)(色の突然変異4つ=melanoid・white・albino・copper、アルビノは1962年の交雑、Ltk・Tyrp1)
- San Diego Zoo Wildlife Alliance Library. Axolotl Fact Sheet: Physical Characteristics(野生は暗い褐色〜黒、飼育下の白・金色・まだら・アルビノ、最初の白い個体は1860年代後半のパリ、トラフサンショウウオとの交配。2026年10月24日確認)
- Takami, Y. and Y. Une. 2017. A retrospective study of diseases in Ambystoma mexicanum: a report of 97 cases. The Journal of Veterinary Medical Science 79(6):1068-1071(97匹の体色=白87・黄4・黒1・野生型5、色ごとの腹水の数)
- キョーリン 「ウーパールーパーの飼い方」(ゴールデン・リューシスティック・ブラック・マーブル・アルビノの体と瞳の色。2026年10月24日確認)
- カミハタ(神畑養魚)「ウーパールーパーの飼い方」(数十品種・主に5品種、各品種の別名、リューシスティックの流通量、ゴールデンの1964年説、ブラックの流通。2026年10月24日確認)
- ウーパールーパーNET(専門店)「ウーパールーパーの目の色、種類(体色)」・トップページ(目の色の種類、ブラックとマーブルの見分け、30種類ぐらい。2026年10月24日確認)
- 写真: Bjorklund21, Three Colors of Axolotl(Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)
