ウーパールーパー(メキシコサンショウウオ、学名 Ambystoma mexicanum)の餌は、家庭では専用の人工飼料(沈むペレット)と、冷凍赤虫・イトミミズなどの動物質の餌が基本です。観賞魚問屋のカミハタは「ほぼ全ての個体が人工飼料を食べる」と書いています(カミハタ)。
回数は、飼料メーカーのキョーリンが小さいうちは1日1回、成長したら2〜3日に1回、冬場は1週間に1回で十分としています(キョーリン)。食べないときは、まず水温(27℃を超えていないか)と水の汚れを確かめるよう、メーカーと問屋の資料はそろって案内しています。この記事では、餌の種類・量・回数と、食べないときの確認点を、動物園・研究施設・メーカーの資料で比べます。

この記事の根拠:サンディエゴ動物園野生生物連盟(San Diego Zoo Wildlife Alliance)の資料、米国ケンタッキー大学の研究施設(AGSC)の飼育指針、ミシガン大学 Animal Diversity Web(ADW)、ロサンゼルス動物園の解説、飼料メーカー(キョーリン)の飼い方・商品ページ、観賞魚問屋(カミハタ)の飼育解説などの公開情報を整理したものです(2026年10月16日に確認)。飼育の実体験ではありません。飼い方の全体はウーパールーパーの飼い方にまとめています。
【結論】ウーパールーパーの餌の要点
| 疑問 | 資料の答え | 出典 |
|---|---|---|
| 何を食べる? | 肉食。家庭では専用の人工飼料・冷凍赤虫・イトミミズなど。ほぼ全ての個体が人工飼料を食べる | カミハタ/ADW |
| 回数は? | 小さいうちは1日1回、成長したら2〜3日に1回、冬場は週1回 | キョーリン |
| 量は? | 数分で食べきれる量/お腹がすこし膨らむ程度。体長15cmなら1回10〜15粒(大粒) | キョーリン(商品ページ) |
| 食べ残しは? | 水を悪くするので取り除く | キョーリン/サンディエゴ |
| 食べないときは? | 水温と水の汚れを見直す。目が弱いのでピンセットで口の前へ | カミハタ/キョーリン(商品ページ) |
| 何日食べなくて平気? | 健康な個体なら数日は平気。何日までなら大丈夫かを示した資料は見つからず | カミハタ |

野生では何を食べている?
ウーパールーパーはメキシコ市近郊の湖や水路にすむ肉食の両生類です。資料は野生での食べ物を次のようにまとめています。
| 資料 | 野生の食べ物 | 食べ方 |
|---|---|---|
| サンディエゴ動物園野生生物連盟 | 大人:小魚・ミミズなどの虫・昆虫・小さな甲殻類・ザリガニ。半水生のハエや藻も。幼生:動物プランクトンとミミズ類 | 大人は待ち伏せ型。獲物は目で見つける。幼生はほとんど底にいる |
| ADW(ミシガン大学) | 捕まえられるものは何でも食べる:貝類・魚・節足動物、同じ種の仲間も | 電気・視覚・においで獲物を見つける |
| ロサンゼルス動物園 | いろいろなミミズ類・昆虫・オタマジャクシ・小さな無脊椎動物 | — |
| カミハタ | 昆虫からエビ、小魚まで(肉食中心の雑食性) | — |
サンディエゴの資料は、汚れた水では餌をとる力が落ちるという研究(Chaparro-Herrera ほか 2013)も紹介しており、においの手がかりが弱まるためかもしれないとしています(Diet & Feeding)。ADW の「同じ種の仲間も食べる」は、複数飼育で噛み合いや共食いが起きることとつながる性質です。
飼育下の餌の種類|家庭・動物園・研究施設
飼育下で何を与えているかは、場面ごとに資料が分かれます。家庭向けの資料と、動物園・研究施設のやり方を並べました。
| 場面 | 与えているもの | 出典 |
|---|---|---|
| 家庭(メーカー) | 専用の人工飼料「ひかりウーパールーパー」「同 大粒」、冷凍赤虫などを関連商品として紹介 | キョーリン |
| 家庭(問屋) | イトミミズ・赤虫、体の大きさに合った沈む人工飼料。専用飼料もある | カミハタ |
| 動物園の幼体・成体 | ゴーストシュリンプ(小さな淡水エビ)、レッドワーム・ミミズ。ビタミンとたんぱく質を補う栄養ペレット | サンディエゴ(飼育) |
| 動物園の孵化直後 | ミジンコ・フェアリーシュリンプなどの小さな甲殻類 | サンディエゴ(飼育) |
| 研究施設の幼生 | 孵化したてのブラインシュリンプ(ふ化しなかった卵と殻は取り除く) | AGSC |
| 研究施設の3cm以上 | カリフォルニアブラックワーム(ミミズの仲間)→ペレットへ切り替え。大人までブラックワームだけで育てることもできる | AGSC |
専用の人工飼料はどんなもの?
キョーリンの商品ページには、2種類の粒の大きさと成分が載っています。成分(保証成分)は2種類とも同じです。
| 項目 | ひかりウーパールーパー | ひかりウーパールーパー大粒 |
|---|---|---|
| 対象の大きさ | 店頭で売られる5cm程度から | 12cm以上 |
| 粒の径 | 2.5〜3.0mm | 5.5〜6.0mm |
| 与え方(袋の表示) | 1日1回、数分で食べきれる量 | 2〜3日に1回、数分で食べきる量(冬期は1週間に1回)。体長15cmなら1回10〜15粒 |
| たんぱく質/脂質 | 47%以上/8.0%以上 | 47%以上/8.0%以上 |
| 粗繊維/灰分/水分/りん | 3.0%以下/17%以下/10%以下/1.0%以上 | 同じ |
| メーカー表示価格 | 30g 709円(税込) | 30g 709円(税込) |
商品ページによると、どちらも水を吸ってやわらかいスポンジ状になり、食欲を刺激するアミノ酸を加えているとのことです。大粒については「このエサだけを与えての長期飼育、繁殖例もあります」とメーカーが書いています。価格は確認日のメーカー表示で、店頭価格とは違うことがあります。
研究施設がペレットを「寝かせる」理由
研究施設(AGSC)は、使うペレットを6か月寝かせてから与えています。ペレットに、変態を起こしうる成分(おそらく牛の血液に由来する甲状腺ホルモン)が含まれているためと説明しています(AGSC Guide 2024)。ここで言うペレットは研究施設が仕入れている特定の製品で、家庭向けの専用飼料について同じことを示した資料は見つかりませんでした。変態(陸化)の仕組みはウーパールーパーの陸化とは?で整理しています。
餌の回数と量|成長段階と季節で変わる
| 段階・時期 | 回数 | 量・与え方 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 孵化直後の幼生 | 毎日(動物園) | 水面に泡を出しはじめたら餌を食べ始めた合図(研究施設) | サンディエゴ/AGSC |
| 小さいうち | 1日1回 | お腹がすこし膨らむ程度 | キョーリン |
| 成長したら | 2〜3日に1回 | 数分で食べきる量。15cmなら大粒10〜15粒 | キョーリン/大粒の商品ページ |
| 幼体・成体(動物園) | ふつう週3回 | トングで与えて食べた量を確かめる | サンディエゴ |
| 研究施設のペレット | 週2回 | 2〜3粒ずつ | AGSC |
| 冬場 | 1週間に1回で十分 | 食欲が落ちる | キョーリン |
| (問屋の考え方) | なるべく毎日 | 回数は場合によりさまざま | カミハタ |
回数は資料によって週2回から毎日まで幅があります。サンディエゴの資料は、ウーパールーパーは冷たい水にすむため代謝が低いことを、週3回の理由として挙げています(Managed Care)。どの資料も共通しているのは、与えすぎないことです。キョーリンは「与えすぎると消化不良になる」「残った餌は水を悪化させるので必ず取り除こう」と書いています。
アカハライモリの回数の目安と比べたい場合はアカハライモリの餌の量と頻度も参考になります。
与え方のコツ|目が弱いので口の前へ
- ピンセットで口の前へ:キョーリンは、与えても食べない場合はピンセットなどで口の前に持っていくと食いつきやすいとしています(キョーリン)。キョーリンの飼い方ページも「視力が弱いが、目の前で動くものをすばやく口に入れる」と書いています
- トングで与えて量を確かめる:サンディエゴの動物園では、食べた量を記録しやすく、食べ残しを水に残さないためにトングで与えています(サンディエゴ)
- 沈む餌を選ぶ:カミハタは、体の大きさに合った沈下性の人工飼料を勧めています
- 複数で飼うときは1匹ずつ:目の前で動くものを口に入れる習性のため、誤飲や共食いに注意するようキョーリンは書いています
底砂を一緒に飲み込むことがある
餌と一緒に底の砂利を飲み込むことについては、資料の考え方が分かれます。
| 資料 | 底砂についての記述 |
|---|---|
| 研究施設(AGSC) | 餌を食べるときに小石や砂利を飲み込むので、底砂は勧めない |
| サンディエゴ動物園 | 大きめの砂利や石を使う。掃除しやすく、誤って飲み込むのを防げる |
| カミハタ | 底砂はあってもなくても構わない。飲み込んでもほとんどは数日で出るが、ごくまれに腸閉塞を起こした例があり、その場合は獣医師の外科処置が必要 |
飲み込める大きさの砂利を避ける、という点はどの資料とも矛盾しません。ピンセットやトングで口の前に与えると、底の砂利ごと吸い込む場面を減らせます。
餌を食べないときの確認点
カミハタは「ウーパールーパーは絶食に強い生き物」で、健康な個体なら数日間エサがなくても平気としたうえで、明らかに食いが落ちているときは飼育環境を見直すよう書いています(カミハタ)。資料が挙げている確認点は次のとおりです。
| 確認すること | 資料の記述 | 出典 |
|---|---|---|
| ① 水温 | 27℃を超えると要注意、30℃を超えると危険(キョーリン)。28℃を超えると弱り、30℃を超えると非常に危険(カミハタ)。動物園は約16℃、範囲14〜21℃ | キョーリン/カミハタ/サンディエゴ |
| ② 水の汚れ | 水質は悪化していないか(カミハタ)。汚れた水では餌をとる力が落ちる(サンディエゴの紹介する研究) | カミハタ/サンディエゴ |
| ③ 季節 | 冬場は食欲が落ちるので、週1回で十分 | キョーリン |
| ④ 与え方 | ピンセットで口の前に持っていく | キョーリン |
| ⑤ 与えすぎ | 与えすぎると消化不良になる/消化に負担がかかる | キョーリン |
夏に水温が上がる時期は、飼育トラブルのほとんどが夏場に起きるとカミハタは書いています。水温の管理はウーパールーパーの飼い方の水温の節で資料ごとに比べています。適温・注意する温度・夏の冷やし方はウーパールーパーの水温は何度?で詳しく整理しました。
動物病院に相談したほうがよいサイン
カミハタは、刺激を与えても潜らず力なく水面に浮き続ける様子を「異常事態」、お腹がパンパンに張る症状を獣医師に相談したほうがよい例として挙げています。食べないことに加えてこうした様子があるときは、両生類を診られる動物病院に相談してください。薬の使い方や量は、この記事では扱いません。
同じ有尾類のアカハライモリについてはアカハライモリが餌を食べない原因で整理しています。
公的・学術資料で確認できなかったこと
| 項目 | 確認できたこと | 確認できなかったこと |
|---|---|---|
| 食べなくても平気な日数 | 健康な個体なら数日は平気(カミハタ) | 何日までなら大丈夫かを示した研究・公的資料 |
| 家庭向け飼料の成分の影響 | 専用飼料の保証成分(キョーリン) | 家庭向け飼料で変態が起きるかを調べた資料 |
| 人工飼料と生き餌の比較 | 動物園は生き餌と栄養ペレットを併用(サンディエゴ) | 家庭での餌の種類と寿命・成長を比べた研究 |
| 最適な回数 | 週2回〜毎日まで資料で幅がある | 回数と健康の関係を比べた研究 |
| 刺し身・生肉など | — | 人の食べ物を与えてよいかを示した公的・学術資料 |
よくある質問
ウーパールーパーの餌は何がいいですか?
家庭向けの資料では、専用の人工飼料(沈むペレット)と、冷凍赤虫・イトミミズなどが挙げられています(キョーリン・カミハタ)。カミハタは、ほぼ全ての個体が人工飼料を食べると書いています。動物園では生きたエビやミミズに栄養ペレットを組み合わせています(サンディエゴ)。
餌は1日に何回あげればいいですか?
キョーリンは、小さいうちは1日1回、成長したら2〜3日に1回、冬場は1週間に1回で十分としています。動物園の幼体・成体はふつう週3回、研究施設のペレットは週2回です。
ウーパールーパーは何日くらい餌を食べなくても大丈夫ですか?
カミハタは、健康な個体なら数日間餌がなくても平気としています。何日までなら大丈夫かを示した公的な資料や研究は、今回は見つかりませんでした。食べない日が続くときは水温と水質を見直し、弱っている様子があれば動物病院に相談してください。
餌を食べないのはなぜですか?
資料が挙げている確認点は、水温(27〜28℃を超えていないか)、水の汚れ、冬で食欲が落ちる時期か、与え方(目が弱いので口の前に持っていく)、与えすぎです(キョーリン・カミハタ・サンディエゴ)。原因を一つに決められる資料はありません。
アカハライモリと同じ餌でもいいですか?
キョーリンの「ひかりウーパールーパー」は、商品ページでイモリやオタマジャクシにも使えるとしています。ウーパールーパーは大きくなると粒の大きい餌が必要になり、大粒は12cm以上向けです。アカハライモリの餌はアカハライモリの餌の種類で比べています。
まとめ|沈む専用飼料を基本に、与えすぎず、食べないときは水温から
- 家庭では専用の人工飼料と冷凍赤虫・イトミミズが基本。ほぼ全ての個体が人工飼料を食べる(カミハタ)
- 回数は小さいうち1日1回、成長したら2〜3日に1回、冬場は週1回(キョーリン)
- 量は数分で食べきれる量。食べ残しは取り除く(キョーリン)
- 目が弱いので、ピンセットで口の前へ(キョーリン)
- 食べないときは水温(27℃超に注意)と水の汚れを見直す(キョーリン・カミハタ)
- 健康な個体は数日食べなくても平気(カミハタ)。浮く・お腹が張るなどがあれば動物病院へ
関連記事:ウーパールーパーの飼い方|必要なもの・水温・餌・寿命の入門ガイド/ウーパールーパーの大きさは何cm?/ウーパールーパーの寿命は何年?/ウーパールーパーの陸化とは?
参考資料
- キョーリン 「ウーパールーパーの飼い方」(餌の回数・与えすぎ・食べ残し・冬場・視力・高水温。2026年10月16日確認)
- キョーリン 「ひかりウーパールーパー」・「ひかりウーパールーパー大粒」(対象の大きさ・粒径・与え方・保証成分・価格。2026年10月16日確認)
- カミハタ 「KBO 水の妖精 ウーパールーパー」(餌の種類・回数・人工飼料・底砂の誤飲・食べないとき・水温・異常のサイン。2026年10月16日確認)
- San Diego Zoo Wildlife Alliance Library. Axolotl Fact Sheet: Diet & Feeding・Managed Care(野生の食べ物・待ち伏せ・汚れた水と採餌/動物園の餌・週3回・トング・孵化直後・水温・底砂。2026年10月16日確認)
- Voss, S.R. & C. Muzinic. AGSC Guide 2024. University of Kentucky(ブラインシュリンプ・ブラックワーム・ペレットの大きさと6か月の熟成・週2回2〜3粒・底砂。AGSC Husbandry から入手。2026年10月16日確認)
- Majchrzak, A. 2004. Ambystoma mexicanum, Animal Diversity Web, University of Michigan(野生の食べ物・獲物の見つけ方。2026年10月16日確認)
- Los Angeles Zoo and Botanical Gardens. Axolotl(食べ物。2026年10月16日確認)
- 写真: Regirina, How to feed an axolotl(Wikimedia Commons・CC BY-SA 3.0)
