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シリケンイモリの寿命・毒・値段|相場と販売自粛の現状

シリケンイモリの寿命・毒・値段

この記事は「シリケンイモリの飼い方」シリーズの2本目/3本です。

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シリケンイモリは、学術論文で飼育下36年以上の記録がある長生きのイモリです。体からはフグ毒と同じテトロドトキシンが検出されています(沖縄産の個体の分析)。値段は、2026年10月8日に大手通販サイトの一覧ページで見ると、野生個体1匹でおよそ2,000〜4,500円でした(Sグレード・一点物を除く)。売買は法律で禁止されていませんが、即売イベントの主催者は野生個体の販売自粛を呼びかけています。

この記事は、寿命・毒・値段と「販売禁止なのか」を、公開されている資料だけで整理したものです。数値には出典をつけ、公的・学術資料で確かめられなかった項目は「資料なし」と書いています。

オキナワシリケンイモリ(Cynops ensicauda popei)の写真。黒い背中に黄白色の細かい斑紋があり、お腹と尾の下側が橙色
オキナワシリケンイモリ(水族館の展示個体) 写真: Totti(Wikimedia Commons)・CC BY-SA 4.0・改変あり(リサイズ)

この記事の根拠:環境省(第5次レッドデータブック・国内希少野生動植物種一覧)、厚生労働省、日本中毒情報センター、動物愛護管理法、東京都動物愛護相談センター、長期飼育と毒の学術論文、イベント主催者の公式発表、通販サイトの検索結果ページを整理したものです(2026年10月8日時点で確認)。飼育・購入の実体験を記したものではありません。

目次

【結論】シリケンイモリの寿命・毒・値段の早見表

知りたいこと資料から言えること出典
寿命は何年?飼育下で36年以上生きたオスの記録がある。平均寿命・野生での寿命を示した資料は確認できずShiroma ほか 2023
毒はある?ある。沖縄で採集された個体からテトロドトキシンが検出されているKudo ほか 2012
触ったらどうする?手を洗う。口・目に入った、しびれが出たら中毒110番か医療機関へ厚生労働省/日本中毒情報センター
毒はアカハライモリより強い?同じ方法で比べた資料は確認できず—(資料なし)
値段は?通販の一覧ページで1匹1,960〜4,510円(野生個体)。Sグレードは7,640〜7,780円、模様を選ぶ「一点物」は9,760〜51,840円楽天市場・Yahoo!ショッピング(2026年10月8日)
販売禁止になった?なっていない。国内希少野生動植物種に指定なし。イベントの自粛は主催者の自主ルール(対象は野生個体)環境省/イベント主催者
表1 シリケンイモリの寿命・毒・値段の早見表(2026年10月8日確認)

飼育環境はシリケンイモリの飼い方、見分け方はシリケンイモリとアカハライモリの違いにまとめています。

シリケンイモリの寿命|資料ごとの年数を比べる

年数を書いた資料と書いていない資料を並べました。数字は1件の飼育記録と1件のデータベース値だけで、平均寿命を示した資料はありません。

資料対象寿命の記載読むときの注意
Shiroma ほか(2023)Current Herpetology(学術論文)オキナワシリケンイモリのオス1匹(飼育下)36年以上1988年に成熟サイズで購入し、購入時に2歳以上と仮定。2022年末まで生存=飼育34年+2年
AnAge(老化研究のデータベース)シリケンイモリ(亜種の区別なし)最大寿命17.9年(飼育下)データベースが挙げる出典は個人のウェブページ。上の論文は「シリケンイモリの年齢と寿命の報告はない」と書いている
環境省 第5次レッドデータブック(2026)アマミ・オキナワの2亜種「長寿命な動物」年数の記載はなし。「成熟までには数年を要すると思われる」とも記載
沖縄県 レッドデータおきなわ第3版(2017)シリケンイモリ記載なし「成熟までには数年を要すると思われる」
野生での寿命—資料なし骨の年輪などで野生個体の年齢を調べた資料は確認できず
表2 シリケンイモリの寿命について資料ごとの記載(2026年10月8日確認)
シリケンイモリの寿命を資料ごとに比べた図解。学術論文(2023年)はオキナワシリケンイモリの飼育下のオスで36年以上、老化研究データベースAnAgeは飼育下の最大寿命17.9年、環境省 第5次レッドデータブックは長寿命な動物とだけ記載、野生での寿命は資料なし。下段は36歳以上の記録の流れで、1986年以前に誕生と推定、1988年夏に成熟サイズで購入、2015年から冬も20℃超・夏23〜28℃で飼育、2018年11月に繁殖個体のメスが誕生、2020年11月から同居、2022年末に生存で36歳以上
図 シリケンイモリの寿命|資料ごとの年数と36歳以上の記録の流れ(出典: Shiroma ほか 2023、AnAge、環境省 第5次RDB。いきものばかり作成)

36歳以上の記録はどう飼われていたか

論文によると、このオスは1988年夏に埼玉県の観賞魚店で購入され、購入時にはすでに成熟サイズでした。2015年までは室内の室温で飼われ、夏は30℃を超える日があり、冬は10℃を下回ることも多かったと書かれています。2015年以降は冬も20℃より暖かく、夏は約23〜28℃でした。

同じ論文では、このオスが34歳以上で若いメス(2018年生まれの繁殖個体)と繁殖し、6匹の子の父親であることが遺伝子で確かめられたと報告されています。琉球大学の研究室も、30年以上飼育されている個体の記録として紹介しています。

ただし1匹の記録で、野生採集か繁殖個体かも書かれていません。「室温でも36年生きた」から「温度管理はいらない」とは読めません。アカハライモリでは40年を超える記録が複数あり、アカハライモリの寿命は何年?で論文ごとに整理しています。

数十年の世話を前提に迎える

動物愛護管理法第7条第4項は、動物の所有者に、できる限りその動物が命を終えるまで適切に飼う「終生飼養」に努めるよう定めています。10年単位で世話を続けられるか、続けられなくなったときの引き継ぎ先を、迎える前に考えておくのが現実的です。別の島や亜種の集団に混ざるおそれがあるため、野外には放しません。

シリケンイモリの毒|テトロドトキシンと触った後の手順

2012年に学術誌 Marine Drugs に発表された論文(Kudo ほか)は、沖縄で採集したオキナワシリケンイモリを分析し、フグ毒の本体であるテトロドトキシンと、その仲間の成分(6-epiTTX など)を検出しました。体全体1gあたりのテトロドトキシンは49.6μgで、同じ論文で測ったコモンフグの卵巣は134.0μgでした。まとめて分析した値なので、1匹ごとの量や個体差は分かりません。

厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルによると、テトロドトキシンは「一般的な調理加熱では分解しない」神経毒で、ヒトの致死量は1〜2mgと推定され、「有効な治療法や解毒剤は今のところない」とされています。口から入った場合の症状は「食後20分から3時間程度」で現れ、最初は唇や舌先の軽いしびれです。

資料によって毒の言い方が違う点や、アカハライモリで毒の量が場所や個体で大きく違うという報告は、シリケンイモリとアカハライモリの違いの毒の節で扱っています。

状況すること根拠
素手で触った(症状なし)石けんと流水で手を洗う。洗うまで目や口に触れない体からテトロドトキシンが検出されている(Kudo ほか 2012)
口や目に入った(症状なし)すぐ水で洗い流し、中毒110番に相談日本中毒情報センター
唇・舌・指先のしびれ、吐き気医療機関を受診。イモリに触れたこと、テトロドトキシンの可能性を伝える症状の第1段階=唇と舌先のしびれ(厚生労働省)
息苦しい・歩けない・意識がもうろうとする119番。治療は呼吸の確保が中心解毒剤はなく、呼吸の確保が治療の中心(厚生労働省)
犬や猫が口にした口から取り除き、すぐ動物病院へ国内の症例資料は確認できず
表3 シリケンイモリに触れた後・口に入ったときの手順(出典: 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル「フグ毒」、日本中毒情報センター、Kudo ほか 2012。2026年10月8日確認)

日本中毒情報センターの「中毒110番」一般専用電話は365日24時間対応で、情報提供料は無料です(大阪中毒110番 072-727-2499/つくば中毒110番 029-852-9999)。日常の注意(サイフォンを口で吸わない、器具を専用にする等)はアカハライモリと同じで、アカハライモリの毒は危険?触った時の症状と対処にまとめています。

毒の強さはアカハライモリと比べられるか

シリケンイモリとアカハライモリの毒の量を同じ方法・同じ時期に比べた資料は確認できませんでした。上の49.6μg/gは体全体をまとめて測った値で、アカハライモリの調査とは測り方も単位も違うため、数字を並べて強弱は言えません。

シリケンイモリの値段|通販の一覧ページで確認できた価格

値段を集計した公的な統計や相場資料は見つかりませんでした。そこで2026年10月8日に、楽天市場とYahoo!ショッピングの検索結果一覧に並んでいた生体の価格を区分ごとにまとめました(個体の商品ページは売れると消えるため、一覧ページを出典にしています)。

掲載名の区分(表記のまま要約)楽天市場Yahoo!ショッピング
アマミシリケンイモリ WC個体(1匹)2,720円・3,019円(価格+送料)1,960円
オキナワシリケンイモリ WC個体(1匹)3,600円・4,031円(価格+送料)2,810円
アマミ ハイカラー WC個体(1匹)4,290円(送料無料)・4,460円(価格+送料)3,660円
オキナワ Aグレード WC個体(1匹)4,347円(送料無料)・4,510円(価格+送料)3,710円
オキナワ Sグレード WC個体(1匹)7,780円(送料無料)7,640円
WC個体の複数匹アマミ3匹5,920〜5,969円・6匹8,540円/オキナワ3匹7,830円・6匹13,830円アマミ3匹5,090円・6匹8,380円/オキナワ3匹7,690円・6匹11,660〜13,570円
2亜種セット WC個体(2匹)4,945〜5,030円4,220円
アマミシリケンイモリ 幼生 CB個体1匹3,200〜3,571円(価格+送料)/3匹4,583円/5匹5,221円1匹2,420円/3匹3,290円/5匹4,460円
WC・CBの表記がないオキナワ(1匹)2,500〜3,500円(送料無料)4,000円
一点物(個体を写真で選ぶ)アマミ WC個体9,940〜51,840円9,760〜50,880円
表4 通販サイトの検索結果一覧で確認した掲載価格(2026年10月8日確認。価格・在庫は変動します)

表から読み取れるのは次の3点です(送料は別表示の店と込みの店があり、支払総額はカートで確認します)。

  • 出品の多くはWC個体:WC(Wild Caught)は野外で捕獲された個体の流通表記です。CB(Captive Bred=飼育下で繁殖)の表記があったのはアマミの幼生だけでした
  • オキナワのほうが高め:WC個体1匹の表示は、どちらのサイトでもオキナワがアマミより850〜1,012円高くなっていました
  • 模様の表記で値段が変わる:「ハイカラー」「Aグレード」「Sグレード」「一点物」は見た目に対する価格で、必要な飼育設備は変わりません

楽天市場のアマミ2,720円・オキナワ3,600円・Sグレード7,780円は、9月21日にアカハライモリの値段の記事で確認した価格と同じでした。環境省のレッドデータブックは、アマミについて「安価な価格で売買されており、他の種よりも高い捕獲圧にさらされている」、オキナワについても「安価な価格で多数、売買されており」と書いています。値段の安さは、そのまま野外の個体への圧力の話でもあります。

販売禁止ではない|法令と「販売自粛」の違い

2026年10月8日に環境省の国内希少野生動植物種一覧(種の保存法に基づく指定。「令和7年2月現在、国内希少野生動植物種は458種」と記載)を確認したところ、イモリ科で載っているのはイボイモリだけで、シリケンイモリは指定されていませんでした。環境省のレッドデータブックの「保護に係る法令指定状況(令和7年度末時点)」も、2亜種とも「指定なし」です。つまり国の法律で売買が禁止されているわけではありません。

一方で、即売イベントの主催者には、野生個体の取り扱い自粛を出品者に求めているところがあります。公式サイトで確認できたものを並べます。

主催者・掲載シリケンイモリについての記載(公式の表記)対象
コウレプ「一部生体の販売自粛のお願い1」(2025年4月)即売会やネットで「ミヤコヒキガエル及びシリケンイモリが最も多く販売されていることが確認されました」。シリケンイモリは「生息地ごとの条例により規制対象となる可能性があり、動物愛護法上の規制も今後加わる方向です」野生個体(繁殖個体は対象外)
東京レプタイルズワールド「生体についての自粛要請」(更新日2026/10/05)同じ文面で、野生個体のミヤコヒキガエル・シリケンイモリ・ニホンイシガメ・ヤエヤマイシガメの取り扱い自粛を要請野生個体(CBは対象外)
仙台レプタイルズワールド「生体についての自粛要請」(更新日2026/10/05)東京レプタイルズワールドと同じ文面野生個体(CBは対象外)
合同会社ぶりくら「野生個体の取り扱い自粛要望書」(2025年3月17日)イベント販売・ネット販売の野生個体について「業界内で自粛ルールができる事は大いに意義のある」と賛同。自社イベントは「元々ワイルド個体の販売はありません」野生個体
表5 即売イベント主催者による野生個体のシリケンイモリの自粛要請(各公式サイト。2026年10月8日確認)

どれも法律ではなく、主催者が出品者にお願いしている自主ルールです。主催者の告知にある「動物愛護管理法の改正で両生類が対象になる方向」という点は、2026年10月8日時点で改正が決まったと読める環境省などの一次資料を確認できていません。検討中の話として扱うのが安全です。イベント全体の規制の動きは爬虫類イベントはなくなる?2026年の規制と中止の現状にまとめています。

「条例で規制対象となる可能性」は、どの自治体の条例が該当するかを今回は確認できていません。採集などを考えるときは各自治体のページで確かめてください。

買う前に確認すること|動物取扱業・WCかCBか・亜種

アカハライモリの値段の記事では「販売者のページに第一種動物取扱業の登録番号が出ているか」を確認点に挙げましたが、両生類の場合は少し事情が違います。動物愛護管理法第10条は、第一種動物取扱業の登録が必要な「動物」を「哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものに限り」としており、両生類のシリケンイモリだけを売る場合は、登録の対象になりません。東京都動物愛護相談センターも、店舗での現物確認・対面説明の義務は「動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)の販売」が対象と案内しています。

このため、登録番号の表示がないことは、それだけで違法の目印にはなりません。爬虫類や哺乳類も扱う販売業者は登録が必要なので、登録番号の表示は店を知る手がかりの1つとして見る程度にして、次の点を販売者に確認しておくと迷いません。

  • WCかCBか:イベントの自粛の対象は野生個体です。表記がない出品は問い合わせて確かめる
  • 亜種と産地:アマミとオキナワは「遺伝的にも形態的にも大きく分化している」(環境省)。混ぜて殖やさないために、どちらの亜種か・どの島かを聞いておく
  • 到着時の扱いと送料:生体は通常の送料とは別になることがある。到着時の状態についての条件も店ごとに違う
  • 何年世話を続けられるか:36年以上の飼育記録がある生き物だということ(表2)

迎えたあとの道具選びは、アカハライモリ向けですがアカハライモリの飼育セット完全版と共通する部分が多くあります。

よくある質問

シリケンイモリの寿命は何年ですか?

平均を示した資料はありません。確認できた最長は、オキナワシリケンイモリのオスが飼育下で36年以上生きた記録です(Shiroma ほか 2023)。老化研究データベースAnAgeは飼育下の最大寿命を17.9年としていますが、出典は個人のウェブページです。野生での寿命は資料なしです。

シリケンイモリの毒は触っただけで危険ですか?

沖縄産の個体からテトロドトキシンが検出されているので、触ったら石けんと流水で手を洗い、洗うまで目や口に触れないでください。唇や舌のしびれが出たら中毒110番(大阪072-727-2499/つくば029-852-9999)か医療機関へ。テトロドトキシンは加熱しても分解せず、解毒剤もありません(厚生労働省)。

シリケンイモリは販売禁止になったのですか?

なっていません。2026年10月8日時点で国内希少野生動植物種に指定されておらず、環境省のレッドデータブックでも保護に係る法令指定は「指定なし」です。イベントで見かける「販売自粛」は主催者の自主ルールで、対象は野生個体です。

繁殖個体(CB)は買えますか?

2026年10月8日の通販の一覧ページでは、アマミシリケンイモリの幼生のCB個体が1匹2,420〜3,571円で掲載されていました。オキナワのCB個体の掲載は確認できませんでした。出品は入れ替わるので、購入時に表記を確かめてください。

まとめ|長生き・毒あり・販売は自粛の流れ

  • 寿命は飼育下で36年以上の記録(1匹)。平均・野生の寿命は資料なし
  • テトロドトキシンが検出されている。触ったら手洗い、口・目に入ったら中毒110番
  • 通販ではWC個体1匹1,960〜4,510円(Sグレード・一点物を除く。2026年10月8日・変動あり)
  • 法律による販売禁止はなく、主催者が野生個体の自粛を求めている。WCかCBか・亜種と産地を確認し、野外には放さない

入口はシリケンイモリの飼い方です。アカハライモリの飼い方完全ガイドもあわせてどうぞ。

参考資料

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