ニホンイシガメの飼育に興味があるけど、「やっぱり難しいのかな?」と悩んでいませんか?この記事では、ニホンイシガメの基本的な飼育方法や初心者がつまずきやすいポイント、よくある失敗とその対策まで、わかりやすく解説します。「実際にどんな準備が必要?」「他のカメとどう違うの?」といった疑問もすっきり解決。これから飼育を始めたい方も、すでに飼っている方も、ぜひ参考にしてみてください。
ニホンイシガメとは?初心者でも飼育できるカメなのか

ニホンイシガメの特徴と生態
ニホンイシガメは、日本の在来種として古くから親しまれているカメです。甲羅が丸みを帯びており、体色は黒褐色からオリーブ色まで個体差があります。主に川や池、田んぼなど淡水域に生息し、水中と陸上の両方で過ごすことができる半水棲の生き物です。自然界では雑食性で、小魚や昆虫、水草など幅広い餌を食べます。温暖な地域を好み、冬には冬眠を行うことも特徴です。野生下では天敵が多く、近年では生息数が減少傾向にあります。生態や性格は比較的おとなしく、慣れると飼い主にもよくなつきます。
ペットとしての人気と飼育の現状
近年、ペットとしてニホンイシガメを飼育する人が増えています。日本固有種としての希少価値や、可愛らしい見た目、長寿であることが人気の理由です。一方で、野生個体の減少から保護が進んでおり、販売されているのは主にブリード個体です。ペットショップや専門店で入手できますが、価格はやや高めです。飼育に関しては、「思ったより難しい」「手間がかかる」と感じる人も多く、事前に正しい知識を持つことが大切です。ニホンイシガメは適切な環境やお世話を整えれば長く健康に飼うことができ、初心者でもチャレンジできますが、安易な飼育開始はおすすめできません。しっかり準備して迎えましょう。
ニホンイシガメ飼育が「難しい」と言われる理由

水質管理の重要性とつまずきやすいポイント
ニホンイシガメの飼育で最もつまずきやすいのが「水質管理」です。半水棲のため水場が不可欠ですが、水が汚れやすく、皮膚病や甲羅のトラブルを引き起こしやすい特徴があります。特に幼体や体力のない個体は、水カビや細菌感染に弱いため、こまめな水換えが必要です。ろ過器を使っても定期的な掃除は欠かせません。市販のカルキ抜きや、水質調整剤の活用も効果的です。理想は、2〜3日に一度の部分換水と、週1回の全換水。水温管理も重要で、急な温度変化や高温・低温にならないよう注意しましょう。水質の悪化は健康被害に直結するため、初心者が最も苦労するポイントの一つです。
設備・環境作りで失敗しやすいケース
ニホンイシガメは陸場と水場の両方を必要としますが、環境作りで失敗しやすい点も多いです。まず、水槽の大きさが不十分だと、運動不足やストレスの原因になります。理想は60cm以上の水槽に、甲羅干しできる陸場をしっかり設置すること。バスキングライトやUVBライトも必須で、これらが不足すると甲羅や骨の成長障害を招きます。また、脱走防止や直射日光・外敵対策も重要です。設備投資はそれなりに必要ですが、長く健康に飼うためには最初からしっかり揃えましょう。初心者は省略しがちな部分も多いため、基本設備は必ず用意することをおすすめします。
餌やり・栄養管理で注意すべき点
ニホンイシガメは雑食性で、市販のカメ用フードや小魚、エビ、昆虫、野菜など幅広い餌を食べます。しかし、偏った食事や栄養不足は成長不良や病気の原因となります。特に、カルシウムやビタミンD3の不足は甲羅の変形(クル病)を引き起こしやすいため、バランスよく与えることが大切です。人工飼料をメインにしつつ、週に数回は野菜や生き餌をプラスするのが理想です。さらに、日光浴やUVBライトで紫外線を浴びさせることで体内でビタミンD3が生成され、カルシウム吸収が良くなります。餌のあげすぎや残り餌の放置は水質悪化にもつながるので、食べ残しは早めに取り除き、適量を守りましょう。
初心者がやりがちな飼育の失敗例
よくあるトラブルと対策
初心者が陥りやすいトラブルとして、水換えの頻度不足による水質悪化や、陸場・バスキングライトの不備による甲羅の病気などが挙げられます。また、誤った餌選びや過剰な餌やりで肥満や消化不良になるケースも少なくありません。こうしたトラブルを防ぐためには、まず飼育環境をしっかり整えること、定期的な観察とメンテナンスを欠かさないことが大切です。健康な個体は元気に動き、食欲も旺盛ですが、動きが鈍い、食欲がない、水に長時間浸かりすぎているなど異常が見られる場合は、早めに飼育方法を見直しましょう。疑問があれば動物病院や専門ショップに相談するのも有効です。
クサガメ・ミドリガメとの違い
ニホンイシガメはクサガメやミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)とよく比較されますが、飼育難易度や性質に違いがあります。クサガメやミドリガメは丈夫で環境変化にも強い反面、ニホンイシガメは水質や温度変化にやや敏感で、より清潔な環境を必要とします。また、甲羅干しの重要性が高く、紫外線不足による健康被害が起きやすい点も特徴です。さらに、ニホンイシガメは在来種として保護の対象となっており、流通量も少なめです。そのため、より丁寧な管理と知識が求められるカメだと言えるでしょう。これらの違いを理解したうえで、飼育に臨むことが大切です。
ニホンイシガメ飼育を成功させるコツとポイント
飼育に必要な設備・グッズ
ニホンイシガメの飼育には、適切な設備が欠かせません。まずは、60cm以上の水槽(成長後を見越して余裕のあるサイズがおすすめ)、ろ過装置、陸場(石や浮島)、バスキングライト、UVBライト、ヒーター(冬場・幼体用)、温度計が基本セットとなります。また、脱走防止のフタや、甲羅干し用のシェルターもあると安心です。餌は市販のカメ専用フードに加えて、小魚やエビ、野菜も準備しましょう。設備をしっかり揃えることで、健康的な飼育環境を維持でき、トラブルも防ぎやすくなります。初期投資はかかりますが、後々の手間やリスク軽減を考えると欠かせないポイントです。
毎日の世話・メンテナンス方法
ニホンイシガメの健康を守るためには、日々の世話がとても大切です。毎日やるべきことは、餌やりと食べ残しの除去、健康チェック(水に浮いていないか・動きは正常か)です。水質の確認も習慣にしましょう。数日に1回の部分換水と、週1回程度の全換水を目安に水槽をきれいに保ちます。陸場やライト、ヒーターも定期的に点検しましょう。甲羅や手足に異変がないか、傷や白いカビのようなものがないかも観察します。こまめな手入れと観察が、ニホンイシガメを元気に長生きさせるコツです。
季節ごとの注意点(冬眠・夏場の温度管理など)
ニホンイシガメの飼育では、季節ごとの温度管理も重要なポイントです。夏場は水温が上がりすぎないよう、直射日光を避けたり、室内ではエアコンや冷却ファンを利用しましょう。30℃を超える高温は体調不良の原因となるため注意が必要です。逆に冬場は、成体の場合は冬眠させることもできますが、幼体や体力のない個体は冬眠させず、ヒーターで水温を22〜25℃程度に保つのが安心です。冬眠をさせる場合は、健康な個体のみ、十分に餌を与えて体力をつけてから行い、冬眠中も様子を観察しましょう。四季のある日本ならではの管理が求められるのが、ニホンイシガメ飼育の特徴です。
飼育を始める前に知っておきたいQ&A(よくある質問集)
冬眠させる必要はある?
ニホンイシガメは本来、冬眠する習性があります。健康な成体であれば冬眠は自然なことですが、飼育下で必ずしも冬眠させる必要はありません。特に幼体や体力のないカメは、冬眠によって命の危険が生じる場合もあるため、室内加温飼育が推奨されます。冬眠を考えている場合は、十分に栄養を与えて健康状態を整え、温度や湿度、冬眠場所を適切に管理しましょう。心配な場合や初めての方は、無理に冬眠させずにヒーターを使い室内で飼う方法もおすすめです。
室内・屋外どちらが良い?
ニホンイシガメの飼育は、室内と屋外どちらでも可能ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。室内飼育は温度や水質の管理がしやすく、外敵や脱走の心配も少ないため、初心者には安心です。屋外飼育は自然光や季節変化を取り入れやすく、より自然に近い環境を用意できますが、天候や外敵対策、脱走防止などの管理が難しくなります。どちらを選ぶ場合も、カメの健康状態や安全を最優先に考え、環境を整えることが大切です。
初心者でもベビーから飼育できる?
初心者がベビー(幼体)から飼育することも可能ですが、成体に比べて管理の難易度は高くなります。特に水質悪化や低温、餌不足に弱く、こまめなケアが必要です。最初は成体またはヤングサイズから始める方が管理はしやすいですが、ベビーから育てる楽しさや愛着も大きな魅力です。どちらを選ぶにしても、必要な設備をしっかり揃え、毎日の観察を欠かさないようにしましょう。不安な場合は、ショップや専門家のアドバイスを参考にするのもおすすめです。
病気になった時の対処法
ニホンイシガメは、水カビ病や皮膚病、甲羅の異常、呼吸器疾患などが発生することがあります。病気のサインは、甲羅や皮膚の変色、食欲不振、動きが鈍くなる、鼻水や口の異常などです。異変に気付いたら、まず飼育環境(水質・温度・紫外線など)を見直しましょう。症状が改善しない場合や重症化している場合は、爬虫類に対応した動物病院を早めに受診することが大切です。自己判断せず、専門家の意見を仰ぐようにしましょう。
まとめ|ニホンイシガメ飼育は「難しい」けれど挑戦する価値アリ
難しさを乗り越えた先にある楽しみ
ニホンイシガメの飼育は確かに手間がかかり、初心者には「難しい」と感じるポイントが多いのも事実です。しかし、しっかり知識をつけて準備し、日々お世話を重ねることで、健康で元気なカメと長く暮らすことができます。飼い主に慣れてきた時のかわいらしさや、成長の様子を見守る楽しさは、ほかのペットでは味わえない特別なものです。苦労を乗り越えた分だけ、愛着や喜びも大きくなるでしょう。
まずはできることから始めてみよう
飼育に不安がある方も、最初は小さなことから始めてみましょう。信頼できるショップで健康な個体を選び、設備をしっかり整えることが大切です。毎日観察し、小さな変化にも気付けるようになれば、飼育の自信もついてきます。困った時は専門家や飼育経験者のアドバイスも積極的に活用してください。ニホンイシガメとの暮らしは、学びや発見にあふれています。ぜひ、あなたも一歩を踏み出してみてください。
参考にした外部サイト一覧とその内容
1. ニホンイシガメの飼育方法・寿命・冬眠・繁殖などの飼い方ガイド【CCEP公式】
ニホンイシガメの基礎知識から、飼育方法、必要な設備、日々のメンテナンス、冬眠・繁殖に関するポイントまで、初心者にも分かりやすく解説している公式ガイドです。飼育でよくある疑問や注意点にも触れています。
2. 日本石亀の飼い方 | 爬虫類情報サイト
飼育環境づくりや餌の与え方、よくある失敗例、水質管理のコツなど、実践的な飼育ノウハウを掲載。初心者が注意すべきポイントや長期飼育のためのアドバイスも豊富です。
3. ニホンイシガメの飼育方法・注意点 | Petpedia
ニホンイシガメの特徴から、飼育でつまずきやすいポイント、他のカメとの違い、初心者でも安心して始めるためのチェックリストなど、幅広い情報をまとめています。
4. ニホンイシガメの飼い方|初心者向けガイド | トカゲブックス
初心者向けに、必要な飼育グッズや環境づくり、健康管理やよくあるトラブル事例、季節ごとの注意点などを分かりやすく紹介。Q&A形式で疑問にも答えています。